5月第3週の勉強会では、先週に引き続き「復唱(ふくしょう)」をテーマにした練習を行いました。復唱とは、クライアントの言葉をそのまま返すことで、安心感を与えたり、自己理解を促したりする大切な傾聴技法です。
今回は、各自が復唱の目的を意識しながらロールプレイに取り組み、「どこを返すか」「どんな言葉で返すか」「返さない選択」などについて、実感を伴った学びが多く共有されました。
▼各グループの気づきと学び
🔹グループ①:復唱の“質”と“選択”を意識する
感情の言葉がなかなか表現されない中で、何を返すか迷う場面もありましたが、前提ではなく“本当に伝えたいこと”に意識を向ける練習が行われました。
💬「状況説明に反応するのではなく、その後に続く“言いたかったこと”を丁寧に拾う姿勢が大切」
🔹グループ②:復唱によって生まれる内省の力
受け手として復唱を体験したことで、「自分の話が整理されていく感覚」や「言葉にしていない気持ちに気づく瞬間」があったという声が聞かれました。
💬「復唱された言葉を第三者的に聞いたとき、自分でも気づいていなかった思いにハッとすることがあった」
🔹グループ③:復唱に“目的”を持つことで会話が変わる
「感情を返す」「外側ではなく内面に触れる」といった明確な目標をもって復唱に取り組んだことで、自然な展開や内省を促すやりとりが生まれました。
💬「機械的な繰り返しではなく、“味わって返す”ことがクライアントの内側に届く鍵になる」
🔹グループ④:感情の奥にある“価値観”に触れる
復唱を通して見えてくるのは感情だけではありません。その背景にある“価値観”や“考え方”に気づいたというシェアもありました。
💬「感情を返すだけでなく、“大切にしているもの”を掴んで返す意識が深い対話につながる」
🔹グループ⑤:復唱への不安が“納得感”に変わった
「復唱って本当に必要なの?」「失礼に感じない?」といった迷いを持ちながら参加された方が、実際にやりとりを経験する中でその意義を実感し、復唱への認識が変わったという声も。
💬「相手の言葉を返すことで、話し手が自分の気持ちに気づいていく――その過程を間近で体験できた」
▼講師からのメッセージ:復唱は“スキル”であり“プロセス”
講師からは以下の2つの観点が共有されました:
- 対クライアント効果:話を受け止められている安心感と信頼感を届ける
- 対カウンセラー効果:言葉を声に出すことで“味わい”、その感情を内面化する
さらに、「復唱しない」選択も大切であること、状況説明(前提)よりも“その先”にある本心や価値観に注目する姿勢の大切さも語られました。
▼次回に向けて:復唱を“地肉”にするために
復唱は、練習を重ねて初めて“無意識でもできるスキル”になります。
「感情を返す」「返さない」「価値観に触れる」など、状況に応じて自在に使い分けるためにも、今後も目的と意識を持って練習を重ねていくことが求められます。
来月は、特定テーマを外した“自由練習会”となる予定です。今回の学びを活かし、各自の課題に応じた実践の場として、ぜひご活用ください。

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