一般社団法人PENSEE-パンセ-

【キャリコン国家資格コラム#03】「傾聴が難しいのは当然です」──“復唱”という最初の技術

▼「傾聴って、どうやればいいの?」に答えます

こんにちは。PENSEE代表の松尾です。

前回のコラムでは、「傾聴がなぜ必要なのか」、その意味や理由についてお話ししました。

今回はその続きとして、
「傾聴って実際どうやるの?」
という、多くの受験者が最初につまずくテーマに踏み込んでいきます。


▼“傾聴できない自分”は、あたりまえ

「傾聴がうまくできません」
これは、対策講座でも最も多く聞く声のひとつです。

でも安心してください。
できないのは当然です。

というのも、カウンセリングで求められる傾聴とは、
ビジネスや日常会話とは“まったく別の聞き方”だからです。

もう少し大胆に言えば、

“別の言語”を学ぶようなもの。

今まで利き手で字を書いていた人が、
反対の手で書こうとしているような感覚です。

だからこそ、反復練習が必要なのです。


▼カウンセリングの傾聴に必要な「復唱」という技術

傾聴の基本技術のひとつが「復唱(ふくしょう)」です。
いわゆる“オウム返し”と呼ばれるものですね。

クライアントの発言を、そのまま、あるいは要点を言葉で返す技術です。


例)

クライアント:
「人事異動があって納得がいかないんです…」

ビジネスの聞き方:
「どの部署に異動されたんですか?」

カウンセリングの聞き方(復唱):
「納得がいかないんですね。」


この違い、伝わるでしょうか?

前者は事実を掘る質問
後者は気持ちに寄り添う応答です。


▼なぜ“質問”は少ない方がいいのか?

多くの方の会話パターンを録音してみると、
ほとんどが「質問」による対話になっていることに気づきます。

ですが、カウンセリングにおいては、質問の多用は上手な対話とは言えません

質問が多くなると、クライアントが

「聞かれて答えるだけ」
という受け身のモードに入り、
自分で気づく力が育ちにくくなってしまうからです。


▼“復唱”を身につけるために

復唱は、知識として理解するだけでは使えるようになりません。
反復練習と実践経験が必要です。

特におすすめなのが、練習会でのオブザーバー視点での記録です。

  • この人は、クライアントの言葉を何回復唱できたか?
  • クライアントのどんな言葉を拾って返していたか?

こうしたポイントを記録することで、
その人の“傾聴力の伸びしろ”が見えてきます。


▼「傾聴=復唱」だけじゃない。でも、まずはここから

もちろん傾聴には、

  • 言い換え
  • 感情の反映
  • 要約
    …など、さまざまな技法があります。

ですが、その第一歩が復唱です。

そしてこの復唱が自然にできるようになると、
カウンセリングのやりとり全体がグッと変わります。


▼まとめ:「聞く力を、技術として育てよう」

クライアントをなんとかしてあげたい――
その思いはとても大切です。

ただそのエネルギーを、
答えを出す”方向に向けるのではなく、
“まずは聞ききる”ことに向けてみてください。

復唱という技術は、
「問題を見つける」ための最初の道具になります。

ぜひ、まずここからトレーニングを始めてみてください。


▼次回予告

次回は、
「復唱の次に身につけるべき聞き方──“言い換え”と“感情の反映”」
についてお伝えする予定です。

引き続き、学びを深めていきましょう。

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