▼「傾聴って、どうやればいいの?」に答えます
こんにちは。PENSEE代表の松尾です。
前回のコラムでは、「傾聴がなぜ必要なのか」、その意味や理由についてお話ししました。
今回はその続きとして、
「傾聴って実際どうやるの?」
という、多くの受験者が最初につまずくテーマに踏み込んでいきます。
▼“傾聴できない自分”は、あたりまえ
「傾聴がうまくできません」
これは、対策講座でも最も多く聞く声のひとつです。
でも安心してください。
できないのは当然です。
というのも、カウンセリングで求められる傾聴とは、
ビジネスや日常会話とは“まったく別の聞き方”だからです。
もう少し大胆に言えば、
“別の言語”を学ぶようなもの。
今まで利き手で字を書いていた人が、
反対の手で書こうとしているような感覚です。
だからこそ、反復練習が必要なのです。
▼カウンセリングの傾聴に必要な「復唱」という技術
傾聴の基本技術のひとつが「復唱(ふくしょう)」です。
いわゆる“オウム返し”と呼ばれるものですね。
クライアントの発言を、そのまま、あるいは要点を言葉で返す技術です。
例)
クライアント:
「人事異動があって納得がいかないんです…」
ビジネスの聞き方:
「どの部署に異動されたんですか?」
カウンセリングの聞き方(復唱):
「納得がいかないんですね。」
この違い、伝わるでしょうか?
前者は事実を掘る質問。
後者は気持ちに寄り添う応答です。
▼なぜ“質問”は少ない方がいいのか?
多くの方の会話パターンを録音してみると、
ほとんどが「質問」による対話になっていることに気づきます。
ですが、カウンセリングにおいては、質問の多用は上手な対話とは言えません。
質問が多くなると、クライアントが
「聞かれて答えるだけ」
という受け身のモードに入り、
自分で気づく力が育ちにくくなってしまうからです。
▼“復唱”を身につけるために
復唱は、知識として理解するだけでは使えるようになりません。
反復練習と実践経験が必要です。
特におすすめなのが、練習会でのオブザーバー視点での記録です。
- この人は、クライアントの言葉を何回復唱できたか?
- クライアントのどんな言葉を拾って返していたか?
こうしたポイントを記録することで、
その人の“傾聴力の伸びしろ”が見えてきます。
▼「傾聴=復唱」だけじゃない。でも、まずはここから
もちろん傾聴には、
- 言い換え
- 感情の反映
- 要約
…など、さまざまな技法があります。
ですが、その第一歩が復唱です。
そしてこの復唱が自然にできるようになると、
カウンセリングのやりとり全体がグッと変わります。
▼まとめ:「聞く力を、技術として育てよう」
クライアントをなんとかしてあげたい――
その思いはとても大切です。
ただそのエネルギーを、
“答えを出す”方向に向けるのではなく、
“まずは聞ききる”ことに向けてみてください。
復唱という技術は、
「問題を見つける」ための最初の道具になります。
ぜひ、まずここからトレーニングを始めてみてください。
▼次回予告
次回は、
「復唱の次に身につけるべき聞き方──“言い換え”と“感情の反映”」
についてお伝えする予定です。
引き続き、学びを深めていきましょう。
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