こんにちは、一般社団法人PENSEEの代表松尾です。今回は、キャリアコンサルタントが「社会をどう捉えるか?」という視点について、お話ししたいと思います。
社会の変化とキャリアの関係
キャリアとは、「個人と環境・社会のすり合わせ」であると考えています。つまり、キャリアは職業だけに限定されるものではなく、家庭人としての役割や地域との関わり方など、個人が社会の中でどのような役割を果たしていくかを含む、広い概念です。
しかし、この「環境・社会」が変われば、キャリアの在り方も変わっていくものです。それにもかかわらず、キャリアコンサルタントの中には、時代の変化を見ずに、昔ながらの価値観でキャリア支援を行っている人が多いのではないか、と私は感じています。
変化する社会構造とキャリア支援
たとえば、オムロンのサイニック理論では、社会は以下のような段階を経て変化していくとされています。
- 農業社会
- 工業社会
- 情報社会
- 最適化社会
- 自立社会(未来予測)
現在は最適化社会の段階にあり、AIやデジタル技術の進化によって、人の働き方が大きく変わろうとしています。そして、この先の「自立社会」に向けて、個人がどのように生き、働いていくのかを考える必要があります。
ところが、多くのキャリアコンサルタントが、工業社会や情報社会の価値観でキャリアを語っている現状があります。時代が変われば、求められるスキルや価値観も変わるのに、そこを考慮せずにキャリア支援を行うことは、本当に適切なのでしょうか?
未来の社会を見据えたキャリア支援
特に若年層のキャリア支援においては、「今の社会」だけでなく、「これからの社会」を見据えた視点が必要です。例えば、今の10代・20代が働く30年後の社会は、今とは大きく異なっているはずです。
・どんな働き方が主流になるのか? ・どんなスキルが求められるのか? ・社会の課題はどのように変化するのか?
これらを考えずに、「今の社会」を基準にキャリアを語るのは、将来の変化に対応できないキャリア支援になってしまいます。
しかし、残念ながら、こうした視点を持っているキャリア理論はほとんどありません。だからこそ、キャリアコンサルタント自身が、社会の変化を学び、未来の社会を見据えた支援をしていく必要があるのです。
キャリアコンサルタントに求められる「社会を捉える力」
私は、さまざまな分野の専門家や経営者と関わる中で、「社会の変容を捉えることの重要性」を強く感じています。キャリア支援の現場にいると、どうしても「人」にフォーカスしがちですが、「人」と「社会」のすり合わせこそがキャリアの本質です。
だからこそ、キャリアコンサルタントは、心理学やカウンセリングの技術だけでなく、「今、社会がどう動いているのか?」「これからどんな社会になるのか?」という視点を持つべきではないでしょうか。
まとめ
キャリア支援をする上で、「社会の変化をどう捉えるか?」という視点は欠かせません。特に若い世代のキャリア支援においては、今だけでなく未来の社会を見据えた視点が必要です。
PENSEEでは、こうした視点を持ちながら、キャリアコンサルタントとしての学びの場を提供していきたいと考えています。皆さんも、ぜひ「これからの社会」を意識しながら、キャリアについて考えてみてください。

PENSEEは、「傾聴のかかわり」を通して、全ての人々が輝いた人生を歩める社会を「創造」し、永続的に「発展」させ、将来世代へ「継承」することを理念とした一般社団法人です。
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