一般社団法人PENSEE-パンセ-

志から始まるキャリア教育──キャリアコンサルタントの立場から感じたこと

こんにちは、一般社団法人PENSEEの代表です。

少し前の話になりますが、「志プレゼンテーション大会 in 枚方」に参加してきました。今回は運営側ではなく、完全に一観客としての参加。純粋に“志”というテーマに触れた時間から、多くの学びと気づきを得ましたので、今日はそのことについて少しお話ししたいと思います。

「志」はキャリア理論には登場しない

キャリアコンサルタントとして多くのキャリア理論に触れてきましたが、“志”という言葉が出てくることは、実はほとんどありません。欧米由来の理論が多い中で、個人の内面や欲求に焦点を当てた理論はたくさんありますが、「世の中をどう変えたいか?」という外向きの視点──つまり“志”の要素は、あまり体系化されていないのが現状です。

しかし、私にとって“志”という概念はとても大切なものです。一人の人間としても、経営者としても、「志なくして、何をするのか?」という想いを常に持って活動しています。

今回のプレゼンテーションでは、参加者の方々のさまざまな“志”が語られました。その中で、あらためて「やっぱりこの感覚は日本人らしいし、日本からこそ発信できる新しいキャリアの形なのでは?」と強く思わされました。

「夢」と「志」の違いとは?

私たちが関わっている教育プログラム(例えばミラコラ)では、「夢」と「志」を分けて伝えることがあります。

  • =自分がこうなりたいという内向きのビジョン(例:起業したい、社長になりたい、お金持ちになりたい)
  • =世の中をこうしたいという外向きのビジョン(例:いじめのない社会を作りたい、誰もが挑戦できる環境をつくりたい)

夢を持つことももちろん大切ですが、夢が達成されなかったとき、あるいは達成した後に「次にどう進むのか」が問われます。そこに“志”という視点が加わることで、キャリアはもっと持続的で、しなやかなものになっていくと感じています。

“志”を問われる機会はあるか?

振り返ってみると、私たちは子どもの頃から「将来の夢」を問われる場面は多かったと思います。幼稚園、小学校、中学校……「何になりたいの?」と聞かれる機会は文化として根づいています。

しかし、「どんな社会をつくりたいの?」と問われた経験はあるでしょうか?きっと少ないはずです。

今回の志プレゼンでは、発表者の皆さんが「自分の志」について語っていましたが、参加者にとってもそれは自分を見つめ直す大きな問いだったのではないかと感じます。

志を“キャリア教育の中心”に

今、キャリアという言葉が独り歩きし、「キャリア教育」が“キャリコン以外の人たち”によって語られる場面も増えてきました。もちろん、それ自体は素晴らしい流れです。

しかし、キャリア支援を専門とするキャリアコンサルタントが、“志”という概念をもっと真正面から扱い、発信し、教育に取り入れていくべきではないかとも思うのです。

夢に向かう子どもたち、悩みながら働く若者たち、立ち止まった大人たちに対して、“志”というもう一つの視点を差し出す──それが、キャリアコンサルタントの果たすべき新たな役割ではないでしょうか。

最後に

“志”という言葉に、正確な英訳は存在しません。だからこそ、日本から“志のキャリア教育”を発信する価値があるのではないかと感じます。

私たちPENSEEでも、これから「志」や「キャリアの本質」について語り合える場を増やし、共に探求していきたいと考えています。キャリコンであるかどうかに関わらず、この思いに共感してくださる方ともっとつながっていけたら嬉しいです。

PENSEEは、「傾聴のかかわり」を通して、全ての人々が輝いた人生を歩める社会を「創造」し、永続的に「発展」させ、将来世代へ「継承」することを理念とした一般社団法人です。

この理念に賛同いただけるキャリアコンサルタント・カウンセラーの方々と共に協働していくため、「PENSEE俱楽部」という会員制度を設けております。詳しくはこちらをご覧ください。(https://x.gd/Uz1nF

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