今週も、キャリアカウンセリング実践勉強会をオンラインで開催しました。テーマは先週に引き続き「目標設定」。参加者の皆さんには、実際にカウンセラー・クライエント役に分かれてロールプレイを行っていただき、学びを深めていきました。
今回も3つのグループに分かれての実践。それぞれの振り返りの中に、多くの気づきが詰まっていました。
▼ルーム1:主訴と目標設定のズレをどう乗り越えるか
ひとつ目のグループでは、「不安」というテーマを深掘りするやりとりが展開されました。クライエントの語る不安を丁寧に拾い上げながらも、そこから「目標設定」に至るまでに議論が及ばなかったという振り返りが印象的でした。
時間が足りなかったこともありましたが、カウンセラーが「この先どうしたいか」に到達する前に面談が終わってしまったことで、「あと10分あれば…」という声も。目標の高さやその適切さをどのように判断するかについて、グループ全体での意見交換も深まりました。
講評では、「クライエントにとって適切な高さの目標設定」をどう共有するかが大切であり、共有した目標に向けた“具体的方策”としてのマイルストーン設定もひとつの手だという提案がありました。
▼ルーム2:言葉にして伝えることの難しさと大切さ
2つ目のグループでは、主訴をうまく捉えられたものの、それを言語化し、共有する部分が曖昧になってしまったという課題がありました。
カウンセラー役の方からは「要約することの大切さ」「自分の意図が伝わる質問の仕方」など、多くの学びがあったという振り返りがありました。
クライエント役からも「言葉にして伝えること」の難しさを実感したとの声があり、「自分も実際の面談で要約を省略しがちだと気づいた」というリアルな内省が語られました。
講評では、「言葉がうまくなくてもよい」「自分の感じていることを共有しようとする姿勢が大切」との励ましがありました。言語化を通じた“すり合わせ”の重要性が強調されました。
▼ルーム3:焦点化の難しさと“今”のプロセスを意識すること
3つ目のグループでは、状況説明が丁寧に行われたものの、その後再び話が戻ってしまい、目標共有までたどり着けなかったという振り返りがありました。
カウンセラー役からは、「自分の質問の意図が伝わらなかった」「クライアント本人の思いに焦点を当てるべきだった」という気づきがありました。
振り返りでは、マイクロカウンセリングの技法における「焦点の当て方」が再確認されました。システマチックアプローチの構造を意識し、プロセスに応じて“誘導すべき時”と“避けるべき時”を見極めることが重要だというメッセージが全体に共有されました。
▼「実践の中でこそ深まる」学びの空間
今回の勉強会では、目標設定というテーマを軸に、それぞれのグループで具体的な“つまずき”や“気づき”が生まれました。共通して語られたのは、「主訴が捉えられても、その先の見立てや共有がなければ前に進めない」という実感でした。
「分かっていても、つい要約を省略してしまう」
「問いかけが意図通りに伝わらない」
「自分の思い込みで焦点を外してしまう」
そうした失敗や課題も含めて、まさに“実践の中でしか得られない”深い学びがあった時間だったように思います。
来週はこのテーマの最終回。今回の振り返りを活かしながら、より実践的な面談力を高めていきましょう。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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