今週もリレーカウンセリング形式で、セッションを見て→各ルームで振り返り→全体共有、という流れで進みました。
今回の題材は、いわゆる「解決策を探す相談」というよりも、“いまの気持ちを聞いてほしい”という色合いが濃いケース。
そのぶん、聴き手側も「問題をどう扱うか」「どこまで進めるか」で迷いやすく、振り返りでは“難しさ”が何度も言葉にされていました。
▼全体の空気:「寄り添いはできた。でも“整理”までは届かなかった」
最初に共有された印象として多かったのは、次のような声でした。
3人それぞれが“気持ちに寄り添って聴く”姿勢は伝わっていた
ただ、クライアントの中で整理が進み「見え方が変わった」ところまで行けたかというと、そこまでは届かなかった
セッションの中でヒントになりそうなキーワードは出ていたが、“もう一歩”が必要だった
ここから、今週の学びのテーマが自然に立ち上がってきた気がします。
「寄り添う」だけで終わらず、“内側の世界の整理”にどう近づくか。
▼振り返りで出た「鍵になりそうなキーワード」
今回のセッションでは、言葉の端々に“核心の入口”になりそうな表現がいくつも出てきた、という共有がありました。
たとえば…
母親への強い思い
「解放された」というニュアンス
「徳を積む」という表現
「気持ちがついていけない」
「受け止められる感じがしない」
「もどかしい」「いたたまれない」 など
そして印象的だったのは、これらの言葉が出た瞬間に、表情が変わったと感じた参加者が複数いたこと。
「そこにヒントがありそう」「もっと聞きたかった」という声が出ていました。
▼論点①:「未来に広げる」か「過去を深める」か、そのバランス
あるルームでは、
今までの過去・現在の気持ちは丁寧に聴けていた
もし幅を広げるなら、“今後/将来”に少し触れてみるのも手だったかもしれない
逆に、ここまでの“母親への思い”が強いなら、その背景(過去)をもう少し深めてもよかったかもしれない
というふうに、「広げる」と「深める」の両方が話題に出ていました。
このあたりは、まさにキャリコンの癖が出やすいところで、参加者Aからは、
「つい問題解決型で考えてしまう自分がいる」
という率直な内省も共有されました。
ただ、そこから一歩進んで、
「“どうしたら楽になる?”という問いを投げるなら、まず“つらい”の質を一緒に見たい」
という方向に思考が進んでいたのが、振り返りとしてとても良かったなと感じます。
▼論点②:「堂々巡り」を止める “要約” の力
別のルームでは、システマチックアプローチ寄りの観点として、
前半、何を話したいのか共有がつかめていなかったかもしれない
どこかで一度、要約して「今日は何を話しましょうか」と合意を取り直す手もあった
話が行ったり来たりした分、整理の糸口を作る介入が有効だったかもしれない
という意見が出ていました。
「気持ちを聴く」ことと、「整理のために要約する」こと。
この両立の難しさも、今週のリアルだったと思います。
▼論点③:言葉の“言い換え”は、無意識に起きる
今回、最も具体的で学びになりやすかったポイントがここでした。
ある場面で「心配」という言葉に対し、聴き手が「不安」と返していた。
それが意図的な言い換えだったのか、無意識の変換だったのか——。
振り返りでは、
冒頭で言葉を変えるのは、ズレを生む可能性がある
「言い換え」が続くと、本人の言葉が置き去りになることがある
自分は“気になっても、勝手に解釈して流してしまっていた”と気づいた
という声が出ていました。
さらに実践者側からは、
「無意識に自分の言葉で変換して返していた」
「丁寧に復唱する必要があると痛感した」
という、かなり大きな学びが共有されました。
オブザーバーで見ていると「復唱すればいいのに」と思えるのに、いざ自分が入ると、
「そうだよね」と心で同意してしまって復唱を飛ばす——。
この“あるある”が言語化されたのも、今週の価値だったと思います。
▼クライアント役の振り返り:「整理がついていない状態でも、少し落ち着けた」
クライアント役からは、
整理がついていないまま話した
でも、話す中で「そうそう」と腑に落ちる瞬間もあった
思い出すタイミングにもなった
受け止めきれなかったものが、少し整理できる感覚があった
という感想が共有されました。
「大きな変化」ではなくても、“散らばっていたものが少し並ぶ”ような整理。
それも、カウンセリングの確かな価値だなと思います。
▼代表のまとめ:「問題そのものは扱わない。問題の“感じ方”を扱う」
全体まとめとして印象的だったのは、キャリアカウンセラーの立ち位置の再確認でした。
出来事(外側の世界)を解決する専門家ではない
扱うのは、その出来事が“その人にとってどんな問題なのか”という内側
つまり、自己概念(ありたい自分)と、経験(起きている感情・反応)の不一致を見立てていく
問題発見ができれば、その後の進め方(アプローチ)は動きやすくなる
今回のように「家族の病気」など、現実の出来事が重いケースほど、
“出来事をどうにかする”方向へ引っ張られがちです。
でも、キャリコンが関われるのは、
「心配していること」そのものではなく、心配してしまう自分との不一致だったり、
「親に心配をかけたくない」という“ありたい自分”と、出てきてしまう反応だったりする。
その整理の入口を見つけることが、今回のテーマだったように思います。
▼おわりに:リレーカウンセリングは“ズレ”が見える練習になる
同じケースをリレーで扱うと、
「どこでズレたか」「何が拾われ、何が置き去りになったか」が浮かび上がります。
そして、そのズレは“ダメだった”ではなく、
自分の聴き方の癖を知るための材料になります。
来月は「自己一致」を語り合う部屋も用意されるとのこと。
今回の学び(言葉の復唱、言い換えの無意識、内側の世界の優先)を持ち寄ったとき、
また一段深い対話になる気がしています。

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