一般社団法人PENSEE-パンセ-

「キャリアコンサルタントの真髄:同感から共感へ 〜代表のつぶやき〜」

皆様、こんにちは。今回は、キャリアコンサルティングの本質に迫る重要なテーマについて、私の思いをお伝えしたいと思います。
先日の会員さんとの対話の中で、「同感」と「共感」の違いについて話題が上がりました。この違いは、実はキャリアコンサルタントの専門性を考える上で非常に重要なポイントなのです。

多くのキャリアコンサルタントが悩むのが、自分が経験したことのない課題に直面したクライアントへの対応です。「自分が理解できないことには対応できない」という不安は、実は「同感」と「共感」の混同から生まれているのではないでしょうか。
「同感」とは、自分の経験を基に相手の状況を理解しようとするアプローチです。例えば、自分もリストラを経験したからこそ、リストラされたクライアントの気持ちがわかる、というような場合です。確かに、この「同感」による理解は時に有効ですが、大きな限界があります。
なぜなら、たとえ同じような経験をしていても、その人の置かれた状況、性格、価値観によって、その体験の意味や影響は大きく異なるからです。さらに言えば、世の中には一人しかいないような職業(例えば総理大臣や宇宙飛行士)の悩みもあります。そういった相談に、同感だけでは対応できないのは明らかです。

ここで重要になってくるのが「共感」です。「共感」とは、自分が直接体験したことがなくても、相手の立場に立って感じ、理解しようとする能力です。これこそが、キャリアコンサルタントの真の専門性だと私は考えています。
キャリアコンサルタントは、クライアントの人生の専門家ではありません。むしろ、クライアント自身こそが自分の人生の専門家なのです。私たちの役割は、その専門家であるクライアントの気持ちや思い、置かれている状況を深く理解し、寄り添うことです。
この「共感」の力を磨くことで、私たちは自分が経験したことのない多様な悩みや課題に対しても、適切なサポートを提供することができるのです。
では、どうすれば「共感」の力を高められるでしょうか。それは、自分とは異なる経験や背景を持つ人々と積極的に関わり、その人たちの思いや経験を理解しようと努めることです。多様な人々との対話、様々な分野の知識の吸収、そして何より、相手の立場に立とうとする姿勢が重要です。

キャリアコンサルタントとしての成長は、単に技術や知識を増やすことだけではありません。むしろ、この「共感」の力を磨き、どんな相談者に対しても心を開いて寄り添える人間性を育むことこそが、真の成長なのではないでしょうか。
皆様も、日々の実践の中で「同感」と「共感」の違いを意識し、より深い「共感」ができるよう努めてみてはいかがでしょう。それによって、より多くの人々の人生に寄り添い、支援できる専門家として成長できるはずです。
この「共感」の力は、キャリアコンサルティングの場面だけでなく、日常生活や他の職業においても非常に有用なスキルです。人と人とのつながりがますます重要になる現代社会において、「共感」の力を磨くことは、私たち一人一人の人生をより豊かにする可能性を秘めています。
最後になりましたが、私たちキャリアコンサルタントは、クライアントの人生の専門家ではなく、クライアントが自身の人生の専門家として成長するのを支援する存在だということを、常に心に留めておきたいと思います。
これからも、この「共感」の力を軸に、皆様と共に成長し、より多くの人々の人生に寄り添えるキャリアコンサルタントを目指していきたいと思います。

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