こんにちは。
今回のコラムは、国家資格キャリアコンサルタント試験に取り組んでいる方向けの第4回です。
前回は、カウンセリングにおける「形の関わり」を身につける第一歩として、「復唱」が重要だという話をしました。今回は、その「復唱」について、より深く掘り下げてみたいと思います。
▼なぜ「復唱」が大切なのか?
例えば、クライエントがこんなふうに話したとします:
「この間、上司に嫌なこと言われて、ムカムカしたんですよね。」
このとき、カウンセラーがこう返すのが「復唱」です:
「ムカムカされたんですね。」
一見、当たり前のやり取りに見えるかもしれません。
でも実際には、多くの人がついやってしまいがちなのが「言い換え」です。
「腹が立ったんですね。」
「イライラしたんですね。」
こうした表現も意味は似ていますが、「ムカムカ」という言葉とは微妙にニュアンスが異なります。
この“ちょっとしたズレ”が、積み重なるとクライエントとの距離を生んでしまうのです。
▼「ズレ」が積もるとどうなるか?
カウンセリングは10分、20分、30分と続くプロセスです。
その間、少しずつズレた言葉で返され続けると、クライエントが「この人、自分の気持ちをちゃんと分かってくれてない」と感じるようになります。
人が感情を言葉にするとき、心の中で複雑なプロセスが起きています。
なんとなく感じている「嫌な感じ」「モヤモヤ」
それに合う言葉を探して
選び取った言葉を相手に伝える
つまり、クライエントが話した「言葉」には、たくさんの感情や情報が詰まっているのです。
それをカウンセラーの解釈で勝手に変えてしまうのは、相手の“本音”を見落とすことにもつながりかねません。
▼「復唱」は最初はぎこちなくて当たり前
初めて復唱を練習すると、「わざとらしいな」「ぎこちないな」と感じるかもしれません。
でも、それでいいんです。
たとえば、水泳の初心者がクロールの練習を始めたときのように、最初は不自然で当然。
やっていくうちに、だんだん自然に、そして“自分のもの”になっていきます。
▼今日のまとめ
復唱は、カウンセリングにおける基本技法のひとつ
クライエントの言葉を「言い換えず、そのまま返す」ことが大切
最初は違和感があっても、練習を重ねることが上達のカギ
「クライエントの言葉」には感情と情報が詰まっている
「キャリアカウンセリング実技」は、日々の積み重ねがすべてです。
ぜひ、復唱というシンプルな技法から、確かな関わりを築いていきましょう。
次回は、復唱に続く第二のポイントについてお届けします。
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