月初恒例の対話会を開催しました。今月は、テーマ部屋「配慮が必要な学生のキャリア支援」と、自由に語り合うフリー部屋の2部屋構成。現場のリアルと知見が交わり、すぐに実務に活かせる学びが多く生まれました。
▼今回のハイライト
テーマ部屋:配慮が必要な学生のキャリア支援
・「唯一の正解はない」前提での関わり
心理・発達・家庭背景など、多様な事情により支援は個別最適が必須。状況に応じた役割分担(学内他部署・学外資源)や、複数窓口での伴走が有効という示唆が共有されました。
・“依存”をどう扱うか
特定の相談者に相談が集中し前進が鈍るケースでは、関係の安全性を保ちつつ、適切に受け皿を分散。支援チームでの「持ち方」を設計する重要性を再確認。
・言語の精度を上げる
曖昧な表現は誤解や不安を生みやすい。伝え方は短く・具体的に・一文ずつが基本。カウンセリングの伝え返しと同じく、センテンスを区切ることで“届く言葉”になる。
フリー部屋:両立支援から広がる「多様な働き方」
・制度×現場のリアリティ
治療・介護・育児・副業…働き方の選択肢が増えるほど一律運用は難度が上昇。制度整備と同時に、「現場の合意形成」と「個別調整力」を高める必要性が共有されました。
・キャリコンの役割
仕組みが追いつくまでの過渡期は、関係者同士をつなぐハブとしての機能が鍵。学内外のリファー先ネットワークを持ち、情報と支援を“流す”設計力が価値になる。
▼現場に持ち帰れる実践ポイント
・短く区切って伝える:一文一メッセージ。肯定→改善提案の順で、前向きに受け取れる言葉を。
・支援を“個で抱えない”:ケースに応じて窓口や担当を分散。役割の境界を明確に。
・曖昧さ回避:期限・責任・次の一手を具体化。「誰が・いつ・何を」をセットで。
・ネットワークを整える:学内他部署、医療・福祉・法務・地域資源などのリストを常備し、即時リファー。
・“聞く”を土台に:大技より地道な傾聴。一貫して事実と感情の両面を受け止める。
▼参加者の声
・「厳しさと優しさのバランスを保ちながら、言葉を磨く重要性を実感」
・「依存を否定せず、安全を担保しつつ支援をチームで持つ設計が必要」
・「就職支援でも“まず聴く”に立ち返ることが成果への最短ルート」
※個人が特定される発言・お名前は本記事では割愛しています。
▼来週以降のご案内:今月のテーマは「キャリア理論の使い方」
学科で学んだ理論、面談でちゃんと使えていますか?
今月は、カウンセリングの枠組みに理論を“実務で効くツール”として埋め込む練習を行います。たとえば――
・スーパーの理論:ライフロールの棚卸し → 現在の役割過多/不足の可視化 → 目標と日常行動のギャップ調整
・活用のコツ:理論を“当てはめる”のではなく、見立て・介入・評価の各場面で言葉・問い・ワークに翻訳して使う
「理論は知識」から「介入の道具」へ。
明日からの面談で“手が動く”形に落とし込みます。
▼こんな方におすすめ
・学生・若年・ミドル・シニア支援まで多様なケースに理論的裏付けを持って臨みたい
・学内外連携やリファー設計など、支援の仕組み化を強化したい
・傾聴+αの“伝え方・進め方”の精度を上げたい
同じ課題に向き合う仲間がいる。だから学びが加速する。
次回、あなたの現場課題を“明日使える技術”に変えましょう。

PENSEEは、「傾聴のかかわり」を通して、全ての人々が輝いた人生を歩める社会を「創造」し、永続的に「発展」させ、将来世代へ「継承」することを理念とした一般社団法人です。
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