今週のキャリアカウンセリング実践勉強会は、久しぶりの少人数グループ練習会でした。
オンラインで全体講義を聞く回も大切です。
理論を学ぶ時間も、技法を整理する時間も必要です。
しかし——
やはり、実力が伸びるのは「やったとき」です。
ロールプレイをして、迷って、詰まって、気づいて、振り返る。
このプロセスを通ったときにだけ、自分の“現在地”がはっきりと見えてきます。
今回の回は、まさにその「現在地」がくっきり浮かび上がった時間でした。
▼「ちゃんと聴こう」とするほど、固くなる
あるグループで出た言葉が、とても印象的でした。
「カウンセリングだと思うと構えてしまう」
「ちゃんと聴こうと意識しすぎて、逆に不自然になっている気がする」
これは、真面目な人ほど通る道です。
“失敗したくない”
“ちゃんとやりたい”
“技法を正しく使いたい”
その思いが強いほど、身体が固くなる。
表情が少し緊張する。
声のトーンがほんの少しだけ変わる。
すると、クライアントの語りも、ほんの少しだけ浅くなる。
これは理論ではなく、空気の話です。
だからこそ、参加者から
「姿勢からリラックスしてみたい」
「普段の会話の感覚も大事にしたい」
という言葉が出てきたことが、とても大きな一歩だと感じました。
技法の前に、“在り方”。
ここに目が向き始めた人は、確実に次の段階に入っています。
▼相づち・うなずき・復唱の「バリエーション」が場を変える
別のグループでは、復唱や相づちの“量と質”による違いが、はっきり体験として出ました。
同じテーマ。
同じクライアント役。
しかし、関わり方が変わると、語りの深さがまったく違う。
これは理論書に書いてあることです。
でも、実際に目の前で
「ここまで変わるのか」
と体感した瞬間、人の理解は一段深まります。
相づちが単調なとき。
復唱が少ないとき。
うなずきが弱いとき。
語りは、やはり伸びにくい。
一方で、
・言葉を丁寧に拾う
・感情のニュアンスをそっと乗せる
・少しバリエーションを増やす
それだけで、クライアントの語りは自然と広がっていく。
「技法」ではなく「存在の質」が変わる瞬間です。
この違いを体験できたことは、今回の大きな収穫でした。
▼スッキリする体験が、学びを加速させる
あるグループでは、クライアント役の方が
「もやもやしていたことを聴いてもらって、スッキリした」
と話していました。
しかもその後、振り返りの時間で全員でそれを共有し、笑いながら整理していった。
これはとても重要なポイントです。
カウンセリング練習会は、「うまくできる」場ではありません。
“自分が整う”体験を通して、
「聴くとは何か」を身体で理解する場です。
スッキリする体験をした人は、次に誰かを支援するとき、
その感覚を思い出します。
「人は、こうやって軽くなるんだ」
その実感がある人の聴き方は、変わります。
▼主訴が曖昧なまま進むと、堂々巡りになる
今回、非常に良い学びになった場面がありました。
25分間、落ち着いて聴けている。
関係構築もできている。
クライアントも安心して話している。
しかし、どこかで“進まない感覚”がある。
振り返ると、そこには
「主訴の確認が明確に言語化されていない」
というポイントがありました。
関係はできている。
でも、方向性がまだ共有されていない。
だから、少し堂々巡りになる。
これは、実力が一段上がる直前に必ずぶつかる壁です。
最初は「ひたすら聴く」ことに集中します。
それができるようになると、次に必要なのは
「いま、どの段階かを捉える力」
です。
関係構築の段階なのか。
問題把握の段階なのか。
整理の段階なのか。
ステージに応じて、中心になる関わりは変わります。
ここに気づき始めている参加者が増えてきたことが、今回とても嬉しかった点です。
▼“構造で捉える力”が育ってきている
全体を通して感じたのは、
参加者の中に
「構造的に捉える視点」
が入り始めていることでした。
ただ聴く。
ただ共感する。
そこから一歩進み、
・いまどの段階か
・何が中心テーマか
・何がまだ言語化されていないか
・次に必要なのは何か
を感じ取り始めている。
これは、練習を積んでいる証拠です。
この段階に入ると、
カウンセリングは“技法の練習”から“実践の組み立て”へと変わります。
ここからが本当に面白い。
▼実践研究会の価値
世の中には、技法を教えてくれる講座はたくさんあります。
理論を整理してくれる場もあります。
しかし、
「できなかったことを持ち寄り、構造的に振り返る場」
は、実はそんなに多くありません。
うまくいった話より、
迷った話のほうが価値があります。
今回の研究会では、
・構えすぎる自分
・主訴を掴みきれなかった場面
・堂々巡りになった時間
それらが共有されました。
だからこそ、次に伸びる。
安全な場だからこそ、挑戦できる。
挑戦するからこそ、成長が起きる。
▼次の段階へ
今、参加者の多くが
「聴けるようになってきた」
という段階にいます。
ここからは、
「どの段階かを捉える」
という視点が必要になります。
そしてその先には、
「クライアントの自己理解をどう深めるか」
という次のテーマが待っています。
一段ずつ、階段を上がる。
焦らず、でも確実に。
今回の研究会は、
その“次の段”が見え始めた回だったと感じています。
また来週も積み重ねていきましょう。
実践を通して、
本物の力を育てていきましょう。

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