一般社団法人PENSEE-パンセ-

【スタッフコラム③】学生・若者支援における“企業視点”と“基本への立ち返り”

これまでのコラムで、ES添削から見えた傾向や課題を共有してきました。今回は、特に「企業視点」と「キャリア支援の基本」に焦点を当てます。

■ ESで見られた具体的課題

自己PRとガクチカの書き分け不足

自己PRは成果や強みに焦点を当てる“ファクト中心”の内容、ガクチカは取り組み方や姿勢を示す“How中心”の内容ですが、この区別ができていない学生が多く見られました。

志望動機の浅さ

「好きだから」「興味があるから」で止まり、なぜその企業なのかまで掘り下げられていない。

志望動機・自己PR・ガクチカの間で訴求ポイントの整合性が取れていないケースも目立ちます。

論理一貫性の欠如

項目ごとに全力で書くあまり、全体としての人物像やメッセージがバラバラになってしまう傾向。

■ 根本原因として見える2つの不足

企業がESで何を評価しようとしているのかという“企業視点”の欠如

→ 目的を理解せず、単なる自己アピールの場と捉えている。

自己分析・自己理解、企業分析・企業理解の不足

→ これらの基盤が弱いため、一貫性や説得力に欠ける内容になってしまう。

この2つが不十分なままでは、どんな添削や表現の工夫をしても効果は限定的です。

■ 支援の場で意識したいこと

ES添削や面接指導では、「どう書くか(How)」に入る前に、**なぜそうするのか(企業視点の目的)**を繰り返し伝えることが重要です。

企業は何を見ているのか、なぜその要素が評価されるのかを理解して初めて、学生は戦略的に内容を構築できます。

■ 見立て先行のリスクと自戒

一方で、キャリアカウンセリングの現場では、自己理解不足や職業理解不足といった“見立て”が先行しすぎるリスクもあります。

特に時間が限られた面談では、相談者の背景や思いを十分に聞き取る前に方法論に入ってしまいがちです。

明日が面接、という緊急対応の場面もありますが、

本来は「相談者像を正しく捉える」ことを優先すべきです。

添削の中には、学生の不安や背景に踏み込みながら提案している素晴らしい事例が多数ありました。私たちもこの基本を忘れず、走りすぎず、寄り添いながら支援していくことが大切だと改めて感じます。

■ まとめ

企業視点の理解と自己分析・企業分析の徹底がESの質を左右する。

論理一貫性と整合性を意識して項目を構成する必要がある。

カウンセリングでは、見立て先行にならず相談者の人物像把握を優先する。

次回は、この基本をどう日々の指導・添削プロセスに組み込むか、具体的な方法を共有していきます。

PENSEEは、「傾聴のかかわり」を通して、全ての人々が輝いた人生を歩める社会を「創造」し、永続的に「発展」させ、将来世代へ「継承」することを理念とした一般社団法人です。

この理念に賛同いただけるキャリアコンサルタント・カウンセラーの方々と共に協働していくため、「PENSEE俱楽部」という会員制度を設けております。詳しくはこちらをご覧ください。(https://x.gd/Uz1nF

また、活動に関する情報は以下のチャンネルでも発信しております。ご興味のある方はぜひチェックしてください。

公式LINE:https://lin.ee/AfSWpmZ
Facebook:https://www.facebook.com/pensee.2012
note:https://note.com/pensee_/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC4I32NusKpe1LPsOgB4YILw

上部へスクロール