今週のテーマは 「問題把握」。
前週は「問題発見(気づく)」でしたが、今回はそこから一歩踏み込み、
“どのようにクライアントがその出来事を捉えているのか” を掴む練習が中心となりました。
巡回では、全体的にこれまでのトレーニングが血肉になり始め、
“聴く → 感じる → 返す” の精度が上がってきていることがよく見えた回でした。
▼ ①「本質はつかめたのに言語化が間に合わなかった」
あるグループでは、カウンセラー役の2名が
クライアントの深い部分をしっかり引き出していくことに成功していました。
ただし、
問題そのものは捉えているのに、時間内に言語化しきれない
あと数十秒あれば共有できたのに…!
という “惜しい一歩手前” の状態で終了したという声が上がりました。
これは「問題把握」あるあるであり、
“タイミングよく返す” 感覚が今後の大きなテーマとなりそうです。
▼ ②「聞き続けすぎて、返すタイミングを逃した」
別のルームでは、カウンセラーが丁寧に聴きすぎたがゆえに、
最後まで返しの言葉を入れることができなかった、という振り返りがありました。
「聞くことに集中しすぎて、言葉の間に返しを挟む勇気が出なかった」
問題把握では必要以上に話を“聞き続ける”よりも、
適切なタイミングで要素を返すことが大切。
そのバランスの難しさに気づけた貴重なターンでした。
▼ ③「浅く掴めたが、深さが足りなかった」
別のグループでは、問題を“早めに掴みに行った”ものの、
少し表面的だった
場面に引っ張られた
もう一歩深い解釈が必要だった
という課題がシェアされました。
とはいえ、
「言ってみたことで、自分の中もスッキリした」
という実感もあり、
返しの練習としてはとても良いチャレンジとなったようです。
▼ ④「返すことにチャレンジ → 手応えを感じた」
あるルームでは、カウンセラー役が
“問題はこれですね” と言葉にするチャレンジを実施。
結果として、
緊張しながらも言えた
クライアントが受け止めてくれた
心理的安全性の中で試せた
という良い経験になったとのこと。
初級者が最初にぶつかる「返すの怖さ」を乗り越えるためには、
こうしたチャレンジが欠かせません。
▼ ⑤「心理的安全性の中で、本音が出てきた」
もう一つ印象的だったのは、クライアント役の参加者が
「普段言わないことまで話してしまった」
と言うほど、
カウンセラー役の“寄り添い方”が深い安心を生んでいた点。
問題把握は
“どれだけ安心して本音を語ってもらえるか”
に大きく左右されるため、
これは非常に重要な成果です。
▼ 松尾講師からの総括:
「返すタイミングは“当てる”ではなく、“感じ取れた瞬間”」
今回、講師から伝えられた最も重要なメッセージは次の通りです。
▼ ❶ 正解探しをしない
問題把握は“当てもの”ではありません。
「これかな?」という段階で返す → 早すぎる
「これだな」と腹に落ちた瞬間 → 返すタイミング
この“感じ取れた瞬間”を基準にすることが大切。
▼ ❷ 本番では慎重に、練習では壊してOK
練習の場では、関係が崩れても問題なし。
「練習で壊せる人だけが、本番で壊さずに話せる」
という言葉の通り、
この場では安心して返しのタイミングを試していくことが求められます。
▼ ❸ “言葉の奥”を感じる練習は順調に進んでいる
全体として、
出来事ではなく、
クライアントがどう捉えているか
を感じ取る力が育ってきているとの評価がありました。
▼ 次週は「返す実践」をより深く
来週は、10分より少し長めのセッション時間を取る予定とのこと。
返すタイミングを多く試せる、貴重な実践回となりそうです。
問題把握は“感覚×技術”。
聞きすぎず、浅すぎず、感じ取れた瞬間に返す。
その微妙なバランスを磨いた1週間でした。
来週も深い学びの場でお会いしましょう。

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