〜「寄り添い」がAIに取って代わられる時代が来たら？〜
こんにちは、PENSEE代表の松尾です。
今回は「AIの発展とキャリアコンサルタントの未来」について、最近スタッフと話した内容を整理しながらお伝えしたいと思います。
▼AIの発達がキャリコン業界に与えるインパクト
AIの進化は、私たちの暮らしや働き方に大きな影響を与え続けています。では、キャリアコンサルタントとしてこのAIの発展をどう捉えるべきでしょうか？
私の中では、2つの視点があると思っています。
キャリコンという職業そのものが、AIによってどう変化するか？
“働く”という人間の営みに、AIがどう影響を及ぼすのか？
今回は特に前者──キャリコンの仕事の未来──について焦点を当てて書いていきます。
▼AIで“キャリコンの一部”は確実に代替される
正直に言います。
キャリアコンサルタントという仕事の一部は、AIによって確実に代替されていくと思っています。
特に以下のような“作業的な支援”は、AIに置き換えられる可能性が非常に高いです。
大学生のエントリーシート添削
面接対策としての定型的な指導
求人情報の収集・分析
転職市場のマッチングアドバイス
こういった“型”が存在し、“ある程度の正解”が導き出せる領域は、AIが得意とする分野です。むしろ、人間よりも的確に処理してくれるでしょう。
▼“指導型キャリコン”は厳しい時代へ
このような流れの中で、「指導型キャリコン」として自分を位置づけている方は要注意です。
「この企業にはこう書いた方がいいよ」
「こう答えたら好印象を持たれるよ」
──そんなノウハウベースの支援は、いずれAIが圧倒的な正確さとスピードでこなすようになります。
指導から「寄り添い」へ──。
キャリコンは、その在り方自体を今こそ見直す必要があると感じています。
▼それでも「寄り添い」は人間にしかできない？
では、「寄り添う支援」はAIに奪われないのか？
これについても、完全に安泰とは言い切れません。
実際、AIが感情的な応答をしたり、傾聴スキルをプログラムに落とし込んだりする技術は、どんどん進化しています。
論理的に傾聴を定義し、トレーニングデータを学習させれば、AIの“傾聴風”応答は人間を超える日が来るかもしれません。
でも、それでもやっぱり──
「人間に聞いてもらえた」「生身の誰かに理解してもらえた」という体験に価値を感じる人は、まだ一定数残ると思うのです。
▼AIにできない“心の揺らぎ”への共感
キャリコンの本質は、「転職すべきか否か」を指導することではありません。
「転職したいくらい苦しい…」という気持ちに寄り添うこと
「親の意見と自分の希望の狭間で揺れる」気持ちを受け止めること
「このままでいいのかな」と言葉にできない不安に耳を傾けること
こうした“心の揺らぎ”に、人間の共感でもって寄り添う──
それが、これからのキャリアコンサルタントに求められる役割なのだと思います。
▼今こそ「寄り添う力」を磨く時
PENSEEでは現在、「傾聴」に重点を置いた実践勉強会を継続しています。
これは、まさにこの時代を生き抜くために必要な学びだと確信しています。
今後、AIの傾聴はもっと巧みになります。
そのとき、私たち人間がAIと違いをつけられるとすれば、それは「心のこもった関わり」しかありません。
だからこそ、“追い抜かれない傾聴”を身につけること。
それが、これからのキャリコンにとっての生き残り戦略になると思っています。
▼AIは「敵」ではない。共に進化する時代へ
最後に。
私はAIを「脅威」だとは思っていません。むしろ、私たち人間が本当に大切にすべき仕事に集中するための“進化のきっかけ”をくれる存在だと捉えています。
AIの発達を前向きに捉えつつ、私たちにしかできない価値を磨いていく。
その道を、共に歩んでいきましょう。
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