今月最初の実践研究会は、いつものロールプレイ形式とは異なり、
「キャリア教育をフリースクールに届けるプロジェクト」をテーマにした対話会形式で開催されました。
代表の松尾講師から、現在進行中のプロジェクトの概要紹介に続き、
参加者それぞれが「キャリア支援の新しい形」について意見を交わしました。
同時に、自由対話の“フリールーム”も設けられ、
日常の気づきや価値観の違いから生まれる対話の豊かさが共有されました。
▼ フリールーム:価値観の違いと向き合う時間
ある参加者が体験した「派遣先での“勝ち組”という言葉の衝撃」から始まった自由対話。
「自分と違う価値観を持つ人と出会ったとき、どう向き合うか」
というテーマが自然に生まれ、
互いの体験を通して多様な価値観の受け止め方を探る時間となりました。
「心理的安全性のある場で、思考を深められた」
「同じ価値観の人ばかりと話す安心と、異なる価値観に触れる刺激の両方が大切」
「人と話すことの意味を改めて実感した」
という声が多く聞かれました。
「自分が居心地のいい場所に安住しがち。でも、違う価値観に触れる機会を大事にしたい」
こうした“多様性との向き合い方”そのものが、
キャリアカウンセラーとして必要な姿勢を象徴していました。
▼ テーマ部屋:「キャリア教育 × フリースクール」の未来
代表の松尾講師が進める、不登校の子どもたちにキャリア教育を届けるプロジェクトの現状報告をもとに、
キャリアコンサルタントとしてどのように関われるか、意見交換が行われました。
🔹 各参加者の声
「地方にも広がるフリースクール、支援の複雑さを実感」
> 「石川県の移住支援でフリースクールを見てきたが、社会問題として広がっている。
“知る”だけでなく、今後どう関われるかを考えたい。」
「不登校の“ふ”が不自然に感じる時代」
> 「学校に行けない子が増え、“不登校”という言葉がもう現実に合っていない。
教育の形そのものを再定義する必要を感じた。」
「キャリアカウンセラーの視点で教育を再構築したい」
> 「キャリアアンカーやホランド理論を活かした教材づくりなど、
キャリコンならではのアプローチを教育現場に届けたい。」
「部活経験 × キャリアアンカー」
> 「部活動を通した経験分析をキャリア教育に生かせるのではと考えた。
今日の話で“名称を変えて再挑戦してみよう”というヒントをもらった。」
「塾で見てきた“不登校だけど塾には来る子どもたち”」
> 「学校では苦しんでも、塾では生き生きする子が多かった。
あの子たちに合う“居場所”をもっと作りたい。」
「母親として・キャリコンとして」
> 「自分の子どもが成長する時代を考えると、
キャリア教育は早い段階から必要だと感じる。
親目線とキャリコン目線、両方から学びたい。」
▼ 「高校」がボトルネックになっている?
松尾講師からは、現場経験を踏まえた教育システムへの問題提起がありました。
「大学生の支援をしていて感じるのは、
“小中高で何をしてきたの?”という疑問。
小中学校の先生たちはすごく頑張っている。
けれども、キャリア教育の“壁”は高校にある。」
「今の高校は、どの大学に入るかという“確率論”の教育。
“この高校のプログラムに惹かれて入りたい”という選び方が
ほとんど存在していない。」
「だからこそ、“キャリア教育を軸にした高校”を作りたい。
まだ夢段階だが、共に動ける仲間が必要です。」
会場からも、「協力したい」「構想を形にしたい」との声が多く上がり、
キャリコンが教育分野に関わる意義を改めて共有する場となりました。
▼ 不登校とキャリアをつなぐ視点
ある参加者からの印象的なコメント:
「娘が小5で1年間不登校でしたが、
その間に韓国ドラマを見まくって韓国語を覚えました。
立ち止まった時間が“強みを得る時間”になっていた。」
この言葉に、参加者全員が深くうなずきました。
松尾講師のまとめ:
「不登校は“悪いこと”ではなく、
一人ひとりが自分らしく学ぶための“もう一つの道”。
子どもたちの体験格差を埋め、
幸せに生きられるインフラをキャリア教育として整えていくのが、
私たちキャリコンの使命だと思っています。」
「今、キャリア教育の主導権を握っているのは塾産業。
本来リードすべきはキャリアコンサルタントです。
この分野を“キャリコンが牽引する”未来を目指したい。」
▼ 次回のテーマ:「主訴をつかむ・問題を把握する」
11月の残り3週は、再び実践形式に戻り、
「主訴の見立て」「問題把握」を重点的に練習していきます。
「ブリーフセラピーで浮き彫りになった“問題把握の難しさ”を
改めて鍛える時間にしましょう。」
まとめ
キャリコンが教育現場と連携する意義を再確認
不登校・多様性への理解とキャリア教育の接点を探る
「キャリコンがリードするキャリア教育」への第一歩
「人と話すことは、世界を広げること。
同じ価値観の安心と、違う価値観の刺激。
どちらも“キャリアの成長”には欠かせない。」
次回も、学び合いと対話の場でお会いしましょう。

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