一般社団法人PENSEE-パンセ-

【PENSEE活動レポート】キャリアカウンセリング実践勉強会 2024年5月3週目

【キャリアカウンセリングの実践力を高める濃密な勉強会】

今回は、事前に用意された女性クライアントの事例を題材に、参加者がグループに分かれてロールプレイ形式で見立てと問いかけの検討を行うという、実践的な内容となりました。

勉強会に先立ち、カウンセラーのTさんが実際に行ったこの事例に対するカウンセリングの一部を参加者と共有しました。

クライアントは、育児と職場の責任者としての二足のわらじを同時に背負う立場になり、ストレスを抱えているという設定です。Tさんのカウンセリングを通して、クライアントの心理状況や置かれた環境を参加者が具体的にイメージできる時間となりました。

そこから4つのブレイクアウトルームに分かれ、グループディスカッションに入りました。
各グループで、クライアントが抱えている本当の課題は何なのか、性格的な部分はどうなのか、状況から見て何が問題なのかといった、様々な角度から見立てが行われました。

例えば、クライアントが理想とする自分のイメージにとらわれすぎており、現実と乖離しているのではないか、といった指摘がありました。
また、上司や部下、家族とのコミュニケーション不足が、ストレスを高める一因となっているのではないか、とも考えられました。さらに、職場環境の変化に対する対応の難しさや、ワークライフバランスの変化への戸惑いなども、背景にある課題として浮かび上がってきました。

活発な意見交換を経て、次はそれらの見立てに基づき、どのような問いかけが有効となるかを検討するフェーズに入りました。単に「上司に相談しましたか?」と直球の質問をするのではなく、「上司の方は、あなたの働きについてどのようにおっしゃっていますか?」といった、クライアント自身に気づきを促す質問の仕方を考える作業になりました。質問一つで、カウンセリングの方向性が大きく変わることを改めて実感できる場面でもありました。

そして最後に、カウンセラーのTさんからフィードバックをいただきました。Tさんは、参加者からの様々な見立てを一つ一つ丁寧に拾い上げ、自身の実践を振り返る上で有益なポイントを指摘してくれました。カウンセリングの理想と現実のギャップ、クライアントに対する思い込みにも触れられ、参加者一人ひとりに多くの示唆を与える貴重な機会となりました。

実際の事例に基づくロールプレイとグループディスカッションを通して、参加者全員で知見を共有し、お互いを刺激しあうことができました。カウンセリングの極意は一朝一夕にはつかめませんが、このような実践を重ねる中で、少しずつ実力が磨かれていくことでしょう。今後も定期的に勉強会を継続し、一人ひとりの資質向上を図っていきます。

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