先日、豊中市の小学校で「志の森プロジェクト」の授業を行ってきました。今回は2年生の子どもたちを対象に、全4回のうちの第1回目ということで、「志を立てる」ための導入授業でした。
「夢」だけじゃなく、「志」を持って生きることの大切さ。
それは、自分のためだけではなく、誰かや社会のために「こうしていきたい」と願う心を育むことでもあります。
このテーマは、先日お話させていただいたエルクリエイトさんの研修でも触れた内容と通じるものがあります。「自分のための夢」も素晴らしいけれど、それだけでなく「世の中をどうしたいか」という視点を持つ。そんな考えを、小学2年生にも伝えていくチャレンジでもありました。
▼ 本来性が満開な子どもたち
2年生という年齢の子たちと関わって、改めて強く感じたのが「本来性(オーセンティシティ)」の豊かさです。
授業中、巡回していると何度も袖を引っ張られて「先生、聞いて!」と話しかけてくる子がたくさんいました。思いついたことをそのまま口に出せる。自分の心が動いたままに行動できる。その姿はまさに、子どもたちの“本来性が花開いている状態”でした。
しかし、年齢が上がるにつれて、どうしても「こう答えたほうがいいのかな」「今は喋らないほうがいいかな」といった“分別”が育ってきます。それ自体は人間の発達として自然なことです。
でも、そうではない「環境要因」で、自分の本来性にフタをしてしまうことはあってはならないと、私は思っています。
▼ 自分の中から湧き上がる“志”を育むには
生き方を考えるとき、「周りが良いと言っていること」よりも「自分の中から湧き出てくるもの」を基準にしたほうが、幸福度の高い人生になる。私はそう信じています。
ところが、子どもたちは成長する過程で、周囲に合わせることを優先し、自分の心の声にフタをしてしまうことが増えていきます。そして社会に出る前、就職活動のときにあらためて「あなたは何がしたいの?」と問われる…。そのときには、すっかり忘れてしまっている。そんな残念な構図が、今の教育現場や社会にあると感じています。
▼ ワード選びワークで見えた、価値観の原点
授業の中では、「優しさ」「挑戦心」「思いやり」「スリル」「豊かさ」など、さまざまな価値観のワードを提示し、それぞれが「自分にとって大事かどうか」を直感的に選んでもらいました。
大人だと、「この場面ではどうかな?」と頭で考えてしまいがちですが、子どもたちは本当に素直。中には「全部大事!」と答える子もいました。そういった姿を見て、やっぱり“心の声に正直である時間”が持てることは、とても価値あることだなと実感しました。
▼ キャリア教育における“場”と“引き出す力”
学校の中でこうした時間を持てることが理想ですが、現実には難しい場面も多いでしょう。だからこそ、サードプレイスのような立ち位置で、そういった“本来性に出会える場”をキャリア教育の一部として提供していくことも大切だと思います。
そして、子どもたちの中から出てくる言葉や想いをキャッチし、引き出すには、やはりキャリアコンサルタントの「傾聴力」や「共感力」が生きてきます。
▼ 大人のみなさんへ:あなたの本来性はどこに?
子どもたちとの関わりを通じて、こんな問いを私自身にも、そしてこのブログを読んでくださっているみなさんにも投げかけたいと思いました。
大人の皆さんは、今の仕事や生活の中で、自分の“本来性”に正直に生きられていますか?
自分の中にある“志の種”。それを探し、育て、実らせていく。そんな人生を、一緒に考えていけたら嬉しいです。

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