一般社団法人PENSEE-パンセ-

代表ブログ vol.27 第15回 1級キャリアコンサルティング技能士 論述試験を終えて

〜「Aさん」ではなく「Bさん」に注目できたか〜

こんにちは。

今回は、予定していた企業向けの内容に先立ち、12月に実施された第15回 1級キャリアコンサルティング技能士 論述試験について、現場で支援している立場からの所感をお届けしたいと思います。

▼ 論述試験は「Bさんの力量」が問われる

まず大切な点を一つ。

論述試験で主役となるのは、相談者(Aさん)ではなく、事例相談者であるキャリコン(Bさん)です。

ついAさんの悩みや状況に焦点を当て、「こうすればよかったのでは」「この戦略を選ぶべきだった」と考えがちですが、それは論述試験の本質ではありません。

試験が問うているのは、Bさん(初級キャリコン)がなぜ適切な対応ができなかったのかという原因の見立てと、それに対する育成的視点です。

▼ 「ちゃんと頑張っている」だけに、見抜きにくい

第15回の論述試験事例は、従来のように「明らかに失敗したケース」ではなく、前半は良好な対応が見られる点が特徴的でした。

例えば、BさんはクライアントAさんの気持ちを丁寧に受け止め、関係構築を意識した面談を行っています。しかし最終的に、Bさんの価値観で戦略や目標を決めてしまったところに落とし穴があったと感じます。

一見すると「よくやっている」ように見えるからこそ、何がズレていたのかを見抜く力が求められる、難度の高い出題でした。

▼ Aさんの悩みが“論点”ではない理由

「Aさんに対して、どんな助言が良かったのか」と考えてしまう方も多いようです。しかし、論述試験の本質はそこではありません。

重要なのは、BさんがなぜAさんの価値観を汲み取りきれなかったのかという点。

どのポイントに注目したかではなく、「なぜ適切な着眼点を持てなかったのか」「どのような訓練や支援が必要なのか」を掘り下げていく視点こそが問われています。

▼ 今回の“分水嶺”はここだった

今回の試験では、前半のBさんはある程度Aさんに寄り添った姿勢を見せていました。しかし、目標設定の段階で「自分の価値観」で結論を導いてしまった。ここが核心だったように思います。

この“ズレ”に気づき、

・どこで見立てが外れていたのか

・Bさんに足りなかった視点やスキルは何か

・どのような指導が必要か

という観点で論述できたかどうかが、合否を分けるポイントだったと感じています。

▼ 受験を考えている方へ

今回の論述試験は、一級対策の学びの奥深さと重要性を改めて実感させられるものでした。

受験を検討されている方、あるいは今回受験された方で「もう少し深掘りして理解したい」という方がいらっしゃいましたら、PENSEEでは引き続き1級対策講座を開講しています。

私自身も、1級受験を通して得た知見を軸に、論述・面接ともに実践的なサポートを行っております。

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1級試験の本質は、「人を育てる視点」を持てるかどうか。

その力は、職場での後進育成や、より良い支援者としてのあり方にも繋がります。

PENSEEでは、キャリアの現場で役立つ視点を磨く仲間を、これからも全力で応援していきます。

以上、試験を終えての現場からの報告でした。

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